▲4六銀右急戦対四間飛車 30手目▽7一玉の局面

香取りに睨みを利かして▲7七角と打ちます。対して目には目をと▽3三角合いは▲6八角とかわされて逆に目標に。これは二階から目薬のようなもので、なかなか上手く捌けずいけません。よって▽3三銀の受けから捌き合って次の図となり、3手一組の妙手順があります。60手目▽2一歩まで

「初王手目の薬!?」▲6三桂▽8二玉▲6二龍!▽同金▲7一角

3手の読みは将棋の基本で、この龍が読めていないと無闇矢鱈に「王手は追う手」で逃してしまいます。また▽6二同金のところでは、まだしもスペースを埋めて▽7一桂と受けるべきでした。以下、▲同龍▽同金▲同桂成▽同玉▲4三と で「マムシのと金」また「と金の遅早」と言って、いっぽいっぽは遅いようでも力強く、渡しても受けに向いていない駒なので相対的にこの寄せは早いのです。本譜は▲7一角から6二の金を補充し▽6一銀打▲7一馬▽9三角▲同馬▽同玉▲8二銀▽同玉▲7一角以下百手を超えます。最終図は104手目▽7一銀引の局面。13手詰です。

▲5二成銀▽同金▲6三桂不成▽6一玉▲7一桂成▽同玉▲8一飛成▽6二玉▲6三香▽同玉▲7二銀▽6二玉▲6一龍まで、先手は上手く▽9五歩-6四歩型をとがめることが出来ました。ただ有利だからといって温泉気分でいると命取りになりかねません。温泉で視力が回復したという逸話はありますが、例え手が見えるようになったとしても勝ち星を落としてしまっては意味がありませんので、特にこういう壁形の有害な空気の吹き溜まりみたいなところは、くれぐれもお気を付けください。駄文失礼しました。熱戦をご観戦頂きありがとうございました。