対高田流、問題の68手目の局面です。(便宜上、後手番目線、譜号が先後逆となっております。ご了承下さい。)ヒントは次の相手の狙い▽4七歩成の阻止。


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 私は▲5五桂と打ちましたが、これは放置されると厳密には無理筋。正解は▲5五銀と打つ手で、これなら角取りとなるので後手は放置ができません。
 以下の想定手順は▽同角▲同飛▽6一金▲7五桂のような手順が考えられ、難しい手が続きますが有利となります。

以下、本局の振り返りとなっております。初手からの指し手▽6二銀▲7六歩▽5四歩▲5六歩▽5三銀▲5八飛▽4四歩▲4八玉▽4二銀上がる

上図から追記補足変化▲5五歩 通常、歩の突き捨てには直ぐ取らずに他の手(▽5二飛など。5四の歩は取らせて同銀と手順に駒が前へ進むほう)を考えますが玉頭戦の上、4四と2三の歩、角も浮いているため危険です。例えばa.▽4三銀▲5四歩▽同銀左▲4四角▽同銀▲5四飛▽5二金右(▽5三角は▲4五銀)▲4四飛▽3四歩▲4五銀▽3三角打▲5四飛などの執拗な攻めがあります。 b.▽5五同歩▲同角に▽4三銀は▲7三角成。 c.▽5五同歩▲同飛▽5二飛から中央を盛り返されるのは気になるところで、お互い持ち歩をどう活かすかが鍵になりそうです。

上図以下▲6八銀▽4三銀▲3六歩▽3四歩▲4六歩▽3三桂▲3七桂まで。


16手目37桂(上図) お相手が高田流左玉を狙っていると見て、工夫の駒組。玉頭戦を見せて駒組を牽制しました。以下38銀と桂頭に備え、飛車先の歩交換をしつつ下段飛車の構え+56銀立ちの好形を得ます。

36手目28玉(上図) 駆け引きの末相振り飛車となりました。以下▽2五歩▲7七角▽4一飛▲4五歩▽3五歩▲同歩▽同角▲3六歩▽1三角▲4四歩▽同銀右▲4五歩▽同桂▲同銀▽同銀▲同桂となり、後手に好手があります。

52手目45同桂まで(上図) 桂得に成功し有利になったと思っていましたが、局後の検討ではむしろこちらが不利なようです。玉頭からの攻めなので反動が厳しいようです。53手目46歩 お相手はここでは68銀の両取りが良かったようです。ここでは先手良しです。本譜▽4六歩以下は▲3七金▽4四銀と進み…

56手目42歩(上図) ここでは32銀42飛43歩の進行が優ったようです。本譜は駒割り的には銀得ですが、後手の玉頭攻めが厳しく後手良しとなりました。上図以下▽4二同飛▲3三桂成▽同銀▲同角成▽4五桂▲4二馬▽3七桂成▲同玉▽4二金に▲5一銀と割り打ちした手に対し…

67手目64角(上図) 本筋の好手に見えましたが、変えて15角の方が厳しかったようです。

68手目55桂 勝負手。厳密にはやや無理筋です。(61金42銀成55歩が進行例)

69手目55同角に同飛と切って…

72手目62銀成(上図) 以下は長手数ですが15手詰となります。ご観戦頂き有難うございました。

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